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第 7 回(2004年)

入賞作品

入賞作品

最優秀賞

帰り道これは恋だとふと気付くほのかににおうキンモクセイの香 徳南 堅太 (17)

優秀賞

携帯は君との距離を繰り畳む薔薇が咲いたと写真で送ろう 林 都紀恵 (68)
オレンジの夕日と私ならんでるどちらが大きい君への思い 有坂 香菜子 (17)
端正な優等生の顔のまま「さぼりませんか」と私に言った 小畑 明日香 (17)

秀逸

我がうなじ剃る夫の指あたたかく束の間愛を確かめてゐつ 上田 香代子 (73)
雨上がり濡れた前髪撫でる指向かう視線は走り来る君 吉田 幾恵 (16)
指丸め望遠鏡を作りゐて海見てるふり君を見てゐる 宮島 紀子 (48)
答などなくてもいいよパンパンと叩いて君のTシャツを干す 山根 淑子 (55)
「恋のうた」詠むぞと言へば教室のにはかに声の弾みさざめく 坂元 善典 (45)
帰り道立ち寄るコンビニあなたいて遠くから見る働く姿 津島 智美 (16)
「おはよう」のその一言が言えなくてあいさつがわりパンチを一つ 吉川 友加里 (15)
「W」にカシオペア座は輝けり東京に住む君のイニシャル 今西 幹子 (50)
円型に区切られし空に昼の星ひとを想へば見えてくるなり 干田 智子 (49)
秋の日に夕焼け空を君と見る陽が沈んだらたくさんの星 堀内 健司 (17)
携帯で繋がることしかできなくて布団の中でかたつむりになる 鈴木 摩衣子 (17)
立ちすくむ私の肩に赤とんぼにじむ夕日と君の残像 小間 愛 (17)
私にもしっぽが欲しい。そしたらさ、大きく振って好きを伝える。 伊藤 依利子 (17)
鏡見て一生懸命探してる君が「好きだ」と言った私を 石田 奈都子 (23)
愛される形も時期も色も香も心得ているイチゴに嫉妬 小林 エリ (26)